【野球】「違反していない」「人数を制限すべきだ」 球宴ファン投票の「オール阪神」が波紋
ニューススポーツ28日に発表されたプロ野球のマイナビオールスターゲーム2023(第1戦=7月19日・バンテリンドームナゴヤ、第2戦=同20日・マツダスタジアム)のファン投票の最終結果で、セ・リーグは阪神勢が全9部門でトップを独占したことが波紋を呼んでいる。同一球団の選手が全部門で1位を占めたのは、1978年の日本ハム、83年の巨人に続き3度目で、40年ぶりの事態となった。SNSでは「人気投票だし、ルールに違反しているわけでもない」「ファン投票のルールを変えた方がいい」と、賛否が分かれている。
■2軍調整中の佐藤、湯浅も選出
これまでの最多選出は2003年に阪神から選ばれた9人で、今回は外野手部門で3位だったノイジーを含め史上最多の10人が選出された。今回の最終結果では、外野手で76万9587票を集めた近本がセ・パ両リーグを通じて最多得票だった。
阪神は28日時点でセ・リーグ1位と好調を維持。近本に加え、今季5勝を挙げている村上や、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表にも選出された中野も二塁手部門で選ばれた。一方で、抑え部門の湯浅、三塁手部門の佐藤は成績不振などもあり、現在は2軍で調整を続けている。
今回の最終結果を受け、ツイッターでは「投票で決めるっていうことはそういうこともあり有る」「ルールを考えれば阪神ファンは間違ったことをしていない」と理解を示す声がある一方、「阪神ファンに罪はない。ルールが悪いだけ」「1チームあたりの人数を制限するルールを作るべきだ」と選出方法の見直しを求める声も相次いだ。
■出場辞退には「ペナルティー」も
野球協約(第86条)では「オールスター試合に選抜された選手がオールスター試合出場を辞退したとき、その選手の出場選手登録は自動的に抹消され、所属球団のオールスター試合終了直後の年度連盟選手権試合が10試合を終了する翌日まで、再び出場選手登録を申請することはできない」と明記。理由もなく選手が出場を辞退すれば「ペナルティー」を課せられる。
プロ野球や高校野球を中心に取材しているスポーツライターの氏原英明さんは「ファンとすれば、自分が応援しているチームに投票したい心理は理解できる」と指摘した上で、「調子が上がらず、この時期に調整が必要な選手もいる。そのため、ファンとして選んだ結果が、選手にとっては必ずしもプラスにならないことも、ファン自身が理解する必要があるのでは」と話している。(浅野英介)
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