【ボクシング】井岡一翔、尿から大麻成分検出 世界戦直前のJBC発表に「非常に困惑している」「疑義を有さざるを得ません」
ニューススポーツ日本ボクシングコミッション(JBC)は21日、前WBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(志成)の尿検体から禁止薬物の大麻成分が検出されたと発表した。
JBCによると、WBO王者だった昨年12月31日に行われたWBA王者ジョシュア・フランコ(米国)との王座統一戦(引き分け)後のドーピング(禁止薬物)検査で、井岡の尿検体から、禁止物質のTHCの代謝物である「THC―COOH(Carboxy―THC)」が検出されたという。井岡の尿検体は2等分され、最初のA検体を検査したところ、禁止薬物成分が出たため。その後、同じ検体から保管されていたB検体も検査したところ、同様の成分が検出されたという。
ただし、世界ドーピング防止機構(WADA)の基準によれば、尿中THC‐COOH濃度の閾(いき)値は150ナノグラム(ng)/ミリリットル(mL)、判定限界は180ng/mLとされており、尿検体のTHC―COOH濃度がこれを超えるものではなかったことから、JBCでは、「井岡選手は本試合においてドーピング禁止を定める日本ボクシングコミッションルール(以下「ルール」といいます。)第97条には違反しなかったものと判断いたしました」とした。
日本では、大麻などの違法な薬物使用は認められていないが、法律では尿から大麻成分が検出されただけでは処罰対象にはならないという。JBCは「当法人は、ドーピング行為に反対し、公正なボクシングを推進しています。また、当法人は、青少年の健全な育成を支援しており、日本における大麻などの違法な薬物の使用は一切認めていません。井岡選手のルール第97条違反以外の当法人の各種規程の違反を理由とする処分の可能性については、当法人で検討中です」とコメントした。
井岡に関しては2020年12月の世界戦後のドーピング検査でも禁止薬物成分が検出されたと報じられたが、その後、JBCの検体をずさんに管理していたころが判明。検体の中に禁止薬物が存在していたことが証明できないとして、井岡陣営に謝罪していた。
井岡は今月24日にフランコの保持するWBA王座挑戦を予定(東京・大田区総合体育館)している。井岡サイドはこれを受けてコメントを発表した。コメントは以下の通り。
「井岡は、24日(土)に、フランコ選手との再戦を予定しており、その直前にこのような発表がなされることについては、当ジムとして、非常に困惑しているとともに、疑義を有さざるを得ません。
JBCの発表によりますと、JBCは井岡をドーピング防止について定める97条に違反しないと判断したとのことですので、当ジムとしても安堵しているところではありますが、それをこのタイミングで発表することの必要性があったのかについては疑問が残ります。なお、当ジムがJBCから1月4日の陽性との検査結果について通知されたのは、5月26日に至ってのことであり、既に、フランコ選手との再戦は決定しておりました。
井岡については、2020年12月31日の試合におけるドーピング検査においても一部禁止物質の陽性反応が出たとのことで、倫理委員会において審議され、結論として、井岡には問題がなかったと判断されたことは、皆様の記憶にも新しいことと存じます。井岡は、2022年12月31日の試合前において、THC―COOH成分が検出されるような大麻等の禁止物質を摂取も使用もしておりません。2年前に偽陽性とはいえ陽性と一度は判断されたこともあり、当ジムも井岡も、禁止物質の摂取については、常に注意を払っておりました。当ジムおよび井岡としては、今回も、井岡の潔白を証明していく所存です。
JBC、ボクシング関係者、そしてファンの皆様に対しては、井岡は、24日のフランコ戦にて、しっかりとしたボクシングをすることでしか、応えることができませんので、フランコ戦にご注目いただければと思います。応援のほど、よろしくお願い申し上げます」
6/22(木) 0:08配信 スポーツ報知
井岡一翔
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