学生たちが路上でモクモク…明治大「喫煙所廃止」で近隣から苦情 駿河台キャンパス 【東京】
ニュース学生たちが路上でモクモク…明治大「喫煙所廃止」で近隣から苦情 駿河台キャンパス<ニュースあなた発>:東京新聞
2023年7月28日 06時00分
東京都千代田区の明治大駿河台キャンパス近くの住人から「路上で喫煙する学生が目立つ」との情報が本紙のニュースあなた発に届いた。大学が、法の求める受動喫煙防止の観点からキャンパス内の喫煙所を撤去したことで、愛煙家の学生が学外に出たことが背景にある。大学が、法律の規制と近隣の苦情とのはざまで喫煙対策に悩んでいる実態が浮かぶ。(井上靖史)
◆学内喫煙所は確実な分煙が難しく3月に廃止
「ここにも吸い殻がある。春ぐらいから目立つようになった」。情報を寄せた駿河台キャンパス近くで飲食店を営む女性は、そう嘆く。客相手の商売で周辺を清潔に保つ必要もあり、迷惑を受けているという。
明治大に問い合わせると、キャンパス内の喫煙所を撤去したのは今年3月末。吸い殻が増えた時期と一致する。撤去理由はこうだ。
それまで建物2階の屋外スペースに喫煙所1カ所を置いていた。改正健康増進法で原則的に学内は禁煙だが、受動喫煙の防止策があれば、屋外に喫煙場所を設けられるからだ。
一方、大学は2021年度、新型コロナウイルス禍で授業がリモート中心になり学生の触れ合う機会を取り戻そうと、喫煙所と同じエリアに交流スペースを新設。対面授業が復活し学内に学生が戻ると、喫煙所と交流スペースが混み合い、確実な分煙が難しくなり、喫煙所の廃止が決まった。
◆愛煙学生は不満顔 しかし区内路上は「全域禁煙」
かくして愛煙家の学生は、学外で紫煙をくゆらせることに。大学近くの建物に入る区の公衆喫煙所を利用する政治経済学部4年の男子学生は「中は学生の割合が高く、満員で入れなければ路上で吸う学生もいる。なぜ廃止したのか大学から納得いく説明がない」と不満顔だ。その上で「大学は昨年から、喫煙スペースから少しでもはみ出したら喫煙所を閉鎖するとの張り紙も掲示した。喫煙者が大学から敵視されていると感じた。廃止したいのは清掃にかかるお金を浮かせたいとか単純な理由では」と疑う。
大学も近隣の苦情は認識し、広報担当者は「警備員が周辺を巡回している。休み時間は特に、路上喫煙しないよう警戒場所を重点的に回っている」とするが、根本解決にはなっていない。「キャンパスの収容人数に見合う喫煙スペースが確保できない。分煙を実現しながら喫煙所を設けることが難しい」と苦慮する。
千代田区は02年に全国初の罰則付き路上喫煙禁止条例を制定するなど、所定の喫煙場所以外は全域禁煙と厳しいルールを設ける。区安全生活課は「明大はしっかり喫煙場所を確保してほしい」との見解を示す。
◆「近隣に迷惑をかけるくらいなら」と考える大学も
明治大と同じ千代田区にキャンパスがある他の8大学に尋ねたところ、喫煙所の有無で対応は分かれた。大妻女子大、共立女子大、東京家政学院大、二松学舎大に喫煙所はないという。二松学舎の担当者は「学生の喫煙機会を減らす狙いで全面撤去した」という。
一方、日本大理工学部の担当者は「学生数が多く一定数の喫煙者がいる。路上喫煙が認められない区の地域事情も考慮し、学生がキャンパス外に出て喫煙しないよう喫煙所を設けざるを得ない」と説明。法学部、経済学部など区内のキャンパスに計9カ所、喫煙所を設けているという。
「近隣に迷惑をかけるくらいなら敷地内に喫煙所を設ける方がいいとの結論になった」。上智大も改正健康増進法の施行前に対応を協議し、キャンパス内に1カ所、喫煙所を設けることにした。法政大も分煙の取り組みは必要としてバルコニーなど6カ所を喫煙場所に指定。専修大も屋外2カ所を喫煙場所としている。
区外でも学生の喫煙場所の問題は浮上している。
(略)
※省略していますので全文はソース元を参照して下さい。
続きを読む2023年7月28日 06時00分
東京都千代田区の明治大駿河台キャンパス近くの住人から「路上で喫煙する学生が目立つ」との情報が本紙のニュースあなた発に届いた。大学が、法の求める受動喫煙防止の観点からキャンパス内の喫煙所を撤去したことで、愛煙家の学生が学外に出たことが背景にある。大学が、法律の規制と近隣の苦情とのはざまで喫煙対策に悩んでいる実態が浮かぶ。(井上靖史)
◆学内喫煙所は確実な分煙が難しく3月に廃止
「ここにも吸い殻がある。春ぐらいから目立つようになった」。情報を寄せた駿河台キャンパス近くで飲食店を営む女性は、そう嘆く。客相手の商売で周辺を清潔に保つ必要もあり、迷惑を受けているという。
明治大に問い合わせると、キャンパス内の喫煙所を撤去したのは今年3月末。吸い殻が増えた時期と一致する。撤去理由はこうだ。
それまで建物2階の屋外スペースに喫煙所1カ所を置いていた。改正健康増進法で原則的に学内は禁煙だが、受動喫煙の防止策があれば、屋外に喫煙場所を設けられるからだ。
一方、大学は2021年度、新型コロナウイルス禍で授業がリモート中心になり学生の触れ合う機会を取り戻そうと、喫煙所と同じエリアに交流スペースを新設。対面授業が復活し学内に学生が戻ると、喫煙所と交流スペースが混み合い、確実な分煙が難しくなり、喫煙所の廃止が決まった。
◆愛煙学生は不満顔 しかし区内路上は「全域禁煙」
かくして愛煙家の学生は、学外で紫煙をくゆらせることに。大学近くの建物に入る区の公衆喫煙所を利用する政治経済学部4年の男子学生は「中は学生の割合が高く、満員で入れなければ路上で吸う学生もいる。なぜ廃止したのか大学から納得いく説明がない」と不満顔だ。その上で「大学は昨年から、喫煙スペースから少しでもはみ出したら喫煙所を閉鎖するとの張り紙も掲示した。喫煙者が大学から敵視されていると感じた。廃止したいのは清掃にかかるお金を浮かせたいとか単純な理由では」と疑う。
大学も近隣の苦情は認識し、広報担当者は「警備員が周辺を巡回している。休み時間は特に、路上喫煙しないよう警戒場所を重点的に回っている」とするが、根本解決にはなっていない。「キャンパスの収容人数に見合う喫煙スペースが確保できない。分煙を実現しながら喫煙所を設けることが難しい」と苦慮する。
千代田区は02年に全国初の罰則付き路上喫煙禁止条例を制定するなど、所定の喫煙場所以外は全域禁煙と厳しいルールを設ける。区安全生活課は「明大はしっかり喫煙場所を確保してほしい」との見解を示す。
◆「近隣に迷惑をかけるくらいなら」と考える大学も
明治大と同じ千代田区にキャンパスがある他の8大学に尋ねたところ、喫煙所の有無で対応は分かれた。大妻女子大、共立女子大、東京家政学院大、二松学舎大に喫煙所はないという。二松学舎の担当者は「学生の喫煙機会を減らす狙いで全面撤去した」という。
一方、日本大理工学部の担当者は「学生数が多く一定数の喫煙者がいる。路上喫煙が認められない区の地域事情も考慮し、学生がキャンパス外に出て喫煙しないよう喫煙所を設けざるを得ない」と説明。法学部、経済学部など区内のキャンパスに計9カ所、喫煙所を設けているという。
「近隣に迷惑をかけるくらいなら敷地内に喫煙所を設ける方がいいとの結論になった」。上智大も改正健康増進法の施行前に対応を協議し、キャンパス内に1カ所、喫煙所を設けることにした。法政大も分煙の取り組みは必要としてバルコニーなど6カ所を喫煙場所に指定。専修大も屋外2カ所を喫煙場所としている。
区外でも学生の喫煙場所の問題は浮上している。
(略)
※省略していますので全文はソース元を参照して下さい。